第9章「Force & Justice」
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脚本:横手美智子/絵コンテ:笹木信作/演出:藤代和也/作画監督:飯飼一幸、服部憲知、鰐渕和彦、Kim Myung Sim
ジャロウデク王国は、いにしえの大国ファダーアバーデンの正統な後継者を名乗り、西方諸国へ宣戦布告した。のちに「大西域戦争=ウェスタン・グランドストーム」として語られる大乱の火ぶたが切られたのである。
飛空船レビテートシップと新型機ティラントーを投入したジャロウデク王国の圧倒的な戦力は、瞬く間にクシェペルカ王国を制圧。
事情を知らないエルたち銀鳳騎士団は、クシェペルカ王国の関所に差しかかるが……。
ファダーアバーデン(世界の父)
人々と魔獣が暮らす大地、セッテルンド大陸。中央には大陸を分断するオービエ山脈がそびえ、東側に強大な魔獣が棲息するボキューズ大森海、西側には人類が作り上げた数多の国々、オクシデンツ(西方諸国)が存在する。
オクシデンツは、ジャロウデク王国、クシェペルカ王国、ロカール諸国連合、イレブンフラッグス(孤独なる十一国)といった国々で構成されているが、かつては一人の王に統治されたひとつの大国であった。その国の名を「ファダーアバーデン」という。
オクシデンツの一国、ジャロウデク王国は、ファダーアバーデンの復活を唱え、自らが正当なる王家の後継者であると主張して近隣諸国に宣戦を布告。ジャロウデク、クシェペルカ両大国の緩衝地帯としての役割を担っていたロカール諸国連合を、瞬く間に制圧したジャロウデク王国は、その余勢を駆ってクシェペルカ王国へ侵攻した。
大陸の東側に唯一存在する人類国家、フレメヴィーラ王国は、魔獣の脅威から人類を守る最前線に位置し、西方諸国を護る盾としての役割も担っていた。魔獣討伐こそが騎士団の存在意義であったが、友好国であるクシュペルカ王国の危機に、フレメヴィーラ王国は騎士団の派遣を決定。躍進著しいエルと銀鳳騎士団に、白羽の矢が立った。