第4章「Light & Shadow」
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脚本:横手美智子/絵コンテ:河本昇悟/演出:守 泰佑/作画監督:Won chang hee
新型シルエットナイト、テレスターレがいよいよ完成した。だが、エルの行動に懸念を抱いていたディクスゴードは、学園に朱兎騎士団を遣わせる。カザドシュ砦にテレスターレを搬送し、自ら性能を確かめようというのだ。
道中、魔獣シェイカーワームの襲撃に遭い、予期せず実戦を経験したテレスターレだったが、結果的に制式機カルダトアを凌駕する機体であることが判明。
報告を受けたディクスゴードは、直接エルへの尋問を開始する。
シルエットアームズ(魔導兵装)
マギウスエンジンが抱えるスクリプトは機体の動作制御に特化しているため、シルエットナイト自体は遠距離魔法を発動するための機能は持っていない。それゆえシルエットナイトは遠距離魔法攻撃用装備・シルエットアームズを備えることで魔法を行使している。
エルの発案により、シルエットアームズを機体の背面に実装したものがバックウェポン(背面武装)である。シルエットアームズを構えるサブアーム(補助腕)と照準機能によって対象への法撃を可能とするバックウェポンは、シルエットナイトの戦い方を大きく進歩させた。
シルエットナイトが使用する魔法は「オーバード・スペル(戦術級魔法)」と呼ばれ、その膨大にして複雑なスクリプトを、常人がひとりで構築することは極めて困難である。ましてや戦闘中のナイトランナーには事実上不可能といえる。そのため、シルエットアームズにはエンブレムグラフ(紋章術式)の技術が採用されている。エンブレムグラフとは、スクリプトの構築と処理を、図形として記述することで魔法を使用可能とする技術。エンブレムグラフが記述された物体に直接マナを通すだけで、容易に魔法を発動させることができる。
一見便利な技術に思えるエンブレムグラフだが、大規模なスクリプトになるほど、物理的にも図形が巨大化してしまうため、装備の「大きさ」に影響が出てしまう。製造の手間もかかるために日常生活では普及せず、結果的に、強大な魔法を必要とし、巨大な装備を使いこなせるシルエットナイトでのみ活用されている。