第2章「Hero & Beast」
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脚本:横手美智子/絵コンテ:笹木信作/演出:重原克也/作画監督:谷川政輝、八尋裕子
夜間演習中に魔獣の襲撃を受けた生徒たちだったが、エルの機転で危機を脱した。だがエルは、魔獣の様子に疑念を抱く。魔獣はまるで何かを恐れて逃げているかのようだった。
エルの予感は的中し、やがて強大な魔獣ベヘモスが現れる。ベヘモスのような師団級魔獣の出現は300年ぶり、建国以来初。ヤントゥネン騎士団を総動員しても、打ち倒すことは難しいという。
生徒たちが脱出を開始する中で、エルは想像を超えた作戦を開始する。
マギウスエンジン(魔導演算機)
シルエットナイトの頭脳ともいえる中枢器官。緻密にして膨大な量のスクリプトを内蔵し、操縦席からの指示に従ってエーテルリアクタ(魔力転換炉)や、クリスタルティシュー(結晶筋肉)など、機体の機能すべてを制御する。
ナイトランナーは操縦桿や鐙によって操縦を行うが、最終的に機体の動きを決定づけるのは、マギウスエンジンから伝達されるスクリプトである。つまり極論すれば、マギウスエンジンで処理されるスクリプトを、ナイトランナー自らが直接シルエットナイトに伝達できれば、コクピット内の物理的な操縦系統は不要になる。
実際にエルはグゥエールの操縦桿を破壊し、手持ちのガンライクロッドを通じて、直接マギウスエンジンにアクセスすることに成功した。ガンライクロッドに巻き付けたシルバーナーヴ(銀線神経)はマナとスクリプトを伝達する機能を有している。
エルは並外れた処理能力によって、マギウスエンジン内部に蓄積されているスクリプトを、次々と読み込んでは解析し、最適化を実行。結果として物理装置による遅延も生じず、ナイトランナーの思考にまったくのタイムラグなく反応する、シルエットナイトのフルコントロール(直接制御)が実現した。